虚構の男がゴミ捨て場に不時着する。

極力毎日掌編。そうさユアグローもどき。或いは『絵のない絵本』の月。

生きない

(一所懸命に生きたことで死んでしまったんだ)彼の死について僕は直感的にそういうふうに思った。それは決して褒め称えるような意味合いではなかった。

(一所懸命に生きてこなかったから僕は今も無事に生きている)つまりは不真面目な自分を肯定するだけの気持ちだった。

結局、彼の葬儀には行かなかった。否、行けなかった。否、面倒くさかっただけかもしれない。

-No.43-