虚構の男がゴミ捨て場に不時着する。

極力毎日掌編。そうさユアグローもどき。或いは『絵のない絵本』の月。

2013-08-10から1日間の記事一覧

氷砂糖

氷砂糖が雹のように降る。開いた傘をしきりに叩く。「ばばばばばばばばばばばば」と小太鼓のように鳴る。やがて傘の布地を突き破って氷砂糖は男の頭を刺す。甘くはなく、ただただ痛い。頭から血が出る。 さっきまで降っていた雨は止んだが氷砂糖は止まない。…