虚構の男がゴミ捨て場に不時着する。

極力毎日掌編。そうさユアグローもどき。或いは『絵のない絵本』の月。

2013-08-31から1日間の記事一覧

トースト

女はトーストの耳を食む、愛した男のそれを食むときのように。 カーテンの隙間から春の朝の陽光が女を射す。長い瞬きを一回。そして女は見た夢のことを思い出す。噛み千切った耳から出た真っ赤な血で信号機の赤を塗ろうとするが、右が赤だったか、左が赤だっ…