虚構の男がゴミ捨て場に不時着する。

極力毎日掌編。そうさユアグローもどき。或いは『絵のない絵本』の月。

2013-09-05から1日間の記事一覧

愛煙家

男は夜空の下の何もないところにいる。あたりには灯りの一つも見えず、ただ川の流れる音だけが聞こえる。 ジャケットの内ポケットから何かを取り出したかと思うと、男はその場にやや斜めに立ったまま真横にだらしなく腕を伸ばす。その手首は緩やかに垂れてい…