虚構の男がゴミ捨て場に不時着する。

極力毎日掌編。そうさユアグローもどき。或いは『絵のない絵本』の月。

2013-09-11から1日間の記事一覧

本花

女が白衣をなびかせて本棚の間を優雅に歩いていく。カツカツとヒールの音が甲高く、静かな書庫の中に響く。 女は一つの本棚の前で立ち止まる。数千の本を前にして耳を澄まし、「だぁれ?」と呼びかける。そうして女はその本棚のある段の本に触れていく。そこ…