虚構の男がゴミ捨て場に不時着する。

極力毎日掌編。そうさユアグローもどき。或いは『絵のない絵本』の月。

音符2

女の子は校舎の脇に形のいい音符をひとつ見つけて家に持ち帰る。それに穴を開けてチェーンを通しネックレスを作る。

翌日、女の子はそのネックレスをつけて学校に行く。チェーンだけが露わになって、音符のところは制服の下に隠れているため傍からは見えない。

授業の途中、女の子の隣の席の男の子が消しゴムを床に落とす。

女の子がその消しゴムを拾ってあげようと前に屈んだとき、胸元から8分音符が一つ零れて揺れる。

その瞬間、男の子は女の子に音を聴く。そして、男の子は女の子に恋をするのだった。

-No.23-